面白すぎる大垣共立銀行

大垣共立銀行は1896年に設立した岐阜県の地方銀行です。その名の通り大垣市に本店があり、全国に類を見ないサービスを次々と発表する革新的な銀行として知られています。もともと岐阜県内には明治時代に6つの国立銀行が創設されていて、現在岐阜県内の地方銀行である大垣共立銀行(旧第百二十九国立銀行)と十六銀行(旧第十六国立銀行)はその生き残りです。大垣共立銀行と十六銀行はかつて合併の話が持ち上がったこともあり、つながりの深い銀行です。

同じ県内に複数の銀行があると、往往にして指定金融機関や経営規模などの面で差がつきます。大垣共立銀行も十六銀行が岐阜市に本店を置いている関係で、長らく2番手に甘んじてきました。そこで大垣共立銀行は県外進出をおこない、さらに1つ1つのサービスの質を向上させるリテール戦略で十六銀行に対抗します。今では地方銀行の県外進出は珍しくありませんが、大垣共立銀行が県外進出をおこなうまではほとんどないことでした。

サービスの質の向上に関しては「収益に寄与しない」という指摘もありますが、話題性を提供することによる全国的な知名度の向上によって、大垣共立銀行はしばしばメディアを賑わし結果的に新規の顧客獲得につながっています。2005年には顧客満足度全国1位になり、個人顧客の人気では地方銀行のなかでもトップクラスです。しかし経営の安定性では十六銀行が秀でており、業務純益や不良債権など、財務指標において大垣共立銀行を上回っています。

こうした銀行同士の激しい競争によって、お互いのサービスが向上するというのはよくあることです。しかし競争が激しくなることによって金利が全国平均よりも低くなるという事態を招くこともあります。俗に名古屋金利と呼ばれる名古屋経済圏の低金利化は、こうした金融機関同士の競争が原因の1つとされています。大垣共立銀行は愛知県内に多くの支店を進出させ名古屋経済と密接な関係があるため、十六銀行など近隣の地方銀行とともに低金利化の原因の1つとなってしまっています。